マサカネ演劇研究所

楽屋落書き3

'03東京・芸術座
☆役の解釈に絶対はない。
(例えば、代役でやる場合、初演でなく、再演で交替する場合。ダブルの場合。)
描き下ろし初演の場合はこの問題に表面的にひっかかることはないが、本質的には考え方としては同じである。
古典、名作の場合は、誰それはこうやったとか、また長期公演の場合は途中で交代することも多い。ある時はVTRを渡され、参考にしろならまだ良いが、先代の通りにやれと言われる。病気、負傷の不慮の事故の場合の緊急交代の場合は先代通りにする方が良い場合もある。というより、そうせざるを得ない。
あたかもそれは、絶対的な役の形象が存在するという考え方である。しかしこの考え方は間違いであると断言出来る。
創造に完成がなく終わりがないように造形に絶対はない。それは神に形を与えるが如きある。神を見た者がいないように究極の絶対の役の形象はないのである。
役は演ずる役者のそれぞれの中に存在するのである。