マサカネ演劇研究所

日常と非日常

日常と非日常
演劇は非日常である。
非日常の世界から日常の世界を写すのが演劇です。
演劇は日常から出発してある典型的な日常(非日常)を生み出すことです。
ここで言う演劇はリアリズム演劇、新劇のことです。
久保栄は演技とは自分から出発して、他人の皮膚を被ることであると言っています。
演技は非日常からは生まれません。あくまでも日常生活で使われる言葉で演技は行います。
日常使われる言葉を使い、ある典型的な人物を創造し、ある典型的な世界を描くのが演劇です。生み出す世界は決して現実にはない世界、非日常(ある典型的な日常)の世界となります。
セリフは日常語で書かれていますが、台本は非日常を描いています。
セリフを読むときには戯曲全体から読むわけですから、非日常的な世界から、セリフを読む事になります。その為セリフが非日常的になることが多く、芝居=嘘と思われることがありますが、それは誤りです。
セリフは日常使われる生きた言葉ですし、芝居は現実より真なるものなのです。