思えば出る

『思えば出る』宇野重吉・米倉斉加年メソッド
演劇は演技から成り立っている。演劇を語るには、演技を語らなくてはならない。
宇野重吉演技論は『思えば出る』である。
俳優教室などを創立した劇団民藝で開いていたが、若手を演出部として公演に参加させたり見学させて、演出家として稽古場で実践的指導を行った。
その実践の場では、教育的な事を意識してであろう、よく演劇のことや演技のことを話していた。そこでたびたび宇野先生より話された演技術は『逆撫で』という戯曲の読み方である。宇野重吉演技論の根底にあるのは、台本論、戯曲の読み方であった。読み方という言い方は正確では無い。戯曲をまるで生命体として、一個の生きた存在として捉え、戯曲の宇宙を読み解き、読み解くと言うより丸ごとのみ込むようにと、そういう理解の仕方(捉え方)をしていた。
一番弟子の米倉斉加年に出した駄目は『普通に言え』である。米倉は『逆撫で』が出来ていたかも知れぬ。
これは仮設であるが、演技は『思えば出る』。その演技を支えるのは台本である。台本は『逆撫で』と言う読み方をして、始めて演技を支えることが出来る。そのように台詞を読み(理解し)『普通に言う』。
これが『思えば出る』宇野重吉・米倉斉加年メソッド。
この仮設をこれから構築していく。