マサカネ演劇研究所

昨日の世田谷中学校

昨日の世田谷中学
2015/06/02
稽古にはならず、新劇と旧劇の違いから、新劇の演技論を構築する。
旧劇という括りは、新劇という言葉が生まれたときに、これまでの演劇という観点から生まれ、江戸時代の歌舞伎から新劇が始まるまでの演劇を言う。
旧劇にあって、新劇にはないものはなんだろうか?
それは型である。しっかりした型を持っている人が、型破りを出来る。
新劇にあって旧劇にないのは考えると、
それは戯曲であり、小説等と同じように散文で書かれた新様式の台本である。
そして演出、俳優という三者の合同により作られるところも、旧劇にはないことである。
従って、型のない新劇では型破りは出来ない。近年の演劇は型破りではなく、滅茶苦茶である。本来新劇は戯曲の読み込みが何より重要であり、一つの役の人格を作る事が役作りと言われ、言わばそれが、旧劇の型に通じるものであろう。
新劇に於いて演技とは戯曲に書かれている実際には存在しない、創作された人物の確固たる人格を作り、舞台上にあたかも実際に存在するかのように表現する事であるが、演じている時にその人格の中に新たな人格を見出すことが出来れば、それが型破りと言う事になるのだと思う。